たのしいゲームの楽しみ方。

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MKVの歴史をざっくり説明(前回の年表と合わせて見てね)

前回の年表に引き続き今回はおおよそ3ヶ月ごとのミリオンナイツヴァーミリオン
の動きを文章で適当に書き上げて見た。
年表と合わせて見ていただければMKVの歴史に詳しくなれること間違いなしなので
流し見してください。

■発表当初■
アーケードゲーム大会がメインとなるイベントでの発表であった事、キャラデザイン、声優等プロを多数起用した開発体制や同人からのAC移植が活発な時期だった事もあり発表当初は「アーケード用新作タイトルか?」「同人からアーケード化を視野に入れての開発か?」などネット上では様々な憶測が乱れ飛んでいたが、程なく公開されたPDF資料にて同人流通でのリリースであると判明。

■発表から半年■
発表~PDF資料公開から08年2月の公式サイトオープンまでは新たに開示される情報も無く公式サイトが開設されてからも画面写真やシステムは殆ど公開されなかった。
当初の予定では08年初頭に頒布予定であったがスペックの変更に伴うグラフィックの全面的な見直しなどにより発売が延期されることになり、3月末のイベント出展用に製作されたPV内においてゲーム上で動いている姿が表示されるのはのぶ子のみ、更にPV内でゲーム画面が表示される時間も極めて短かいものだった。
当初は打ち合わせの内容などそれなりの頻度で更新が行われていた公式ブログの更新頻度も徐々に低下、公式サイトの更新告知程度しか行われなくなり5月末を以って公式ブログは完全に更新が停止する。

■発表から1年経過まで■
ブログ更新停止後も公式サイトでは各キャラのプロフィール、バックストーリーが定期的に更新されていたがイヴァンのストーリー更新以降は公式サイトの更新も停止し、翌年2月になるまで新たな情報は発信されなかった。

この期間MKV製作の中心となっているはずのNRFは夏季コミックマーケットに合わせて東方二次創作を頒布し専用HPまで公開、アップデートパッチ配信まで行っていた。
年末の冬季コミックマーケットにおいてはサウンド担当を担当したMintJamブース
にてMKVサウンドトラックがゲームの完成に先駆けて頒布されこちらは好評であった。

■発表から1年と3ヶ月後■
09年2月、移転告知が行われ新ドメインにて新たな公式サイトが立ち上がる。
しかし新公式サイトから入手できる情報量は旧公式と比較して減少していた。
3月半ば、09年4月頒布予定の告知とともにスペック等の新情報が公開。
以降は発売日までシステムの公開、新PVの公開とダウンロード、新キャラであるスマイルの公開などを立て続けに精力的な情報発信が行われた。
月末には各キャラのストーリー・プロフィールが新公式サイトで公開されたが、以前公開されていたものと比べ、プロフィールやストーリーに変更が行われていた。

■発売1ヶ月前~マスターアップ■
公式サイトの更新頻度は加速し月初初から発売日の正式告知やスクリーンショット、詳細なシステム解説等が公開、各同人ショップが特設サイトが展開され予約受付が開始。
また同人ショップ店頭でのロケテスト実施が告知され、ショップ協力のもとで行われる同人ソフトの販売前ロケテストという試みは一部で注目を集めることに。
そしてロケテストの2日後、NEWSにてMKVマスターアップの告知がなされた。
(未実装要素多数ではあるが)ミリオンナイツヴァーミリオンの完成である。

■発売前夜~発売日~パッチ地獄 炎の七日間■
4月25日
発売日前日、公式サイトにて「動作確認体験版」が公開される。
選択できるのはリプレイモードのみ、同梱されているリプレイデータを再生する事で
ユーザーのPCでゲームが動作可能か判断するというベンチマーク的内容であった。
当然ながらプレイヤー自身は一切ゲームを遊ぶことができず、同梱のリプレイデータも凡庸なプレイに終始している為に「MKVが一体どのような感触のゲームなのか」という最も大事な部分が一切伝わらない体験版であった。

4月26日
ミリオンナイツヴァーミリオン発売日。
インストールを済ませたプレイヤーを待っていたのは動きや絵のクオリティ差が激しい
キャラグラフィック、ストーリーや背景が全く語られずエンディングの1枚絵も最終ボスもない1人用モードに加えて直前のロケテスト結果を反映する調整パッチを適用してもなお、即死やループコンボが満載の地獄絵図であった。
プロを多数起用し、「同人ゲームの常識が変わる。変革の時は、今―」という謳い文句で
立ち上がったこの企画はいったいなんだったのかというレベルの、ゲームとして最低限の形だけを整えたものがユーザーの元に届いたのである。

それでも真面目に連携やコンボ探しに勤しむ者、バグ動画を上げて楽しむ者、あまりの完成度の低さに怒りを覚える者、そもそもエラーで起動できぬ者、各々が悲喜こもごもの反応を示していた。
だがこの時期がMKVの歴史の中において最も熱く、最も多くプレイされ有意義な意見交換がなされた時期であったことは間違いない。

4月27日
某大工町研究所にてMKVのレビューと対戦動画、バグ動画(鋼鉄の乳)が掲載される。
その辛口なレビュー内容とバグのインパクトによりMKVは(一部の界隈に)一気にその名を広めることとなる。
レビュー自体はNRF側から大工町研究所へ依頼したものである。

4月28日
バグ修正及びフォロ以外のキャラの各種調整を行ったパッチが配信され、ループコンボや長すぎるコンボがいくつか消え、若干ではあるがバランスが向上。
しかしシルフィオがKOされた後、垂直に上昇していく「昇天」と呼ばれるバグが新たに発覚し「呪いの館バグ」として広まりネタゲーとしての地位を更に固める結果に。

4月29日
0428パッチ適用によるコンボレシピの検証と見直しが行われ、結果として未だに複数の即死及びループコンボが存在していることが判明。
更なる研究が進められると同時に様々な状況でのシルフィオの昇天条件が発見される。
発売して2日目、もはやMKVを取り巻く環境は公開有料デバッグとなっていた。

4月30日
深夜0時を回り日付的には5月1日ではあるがパッチが公開され、上記の昇天の修正と一部キャラの更なるバランス調整が行われた。

5月01日
発売日からの度重なるパッチほぼマイルド化調整であった為にパッチ適用の度にできる事が減少、ネタとして受けていた部分も(バグなので当然ではあるが)修正されていく。
このマイルド化の流れの中では新たに発覚したのぶ子の死霊の阿波踊りバグの存在も空しくネタゲーとしても楽しみを見出せないユーザーが増え始める。
ここから元々怪しかった雲行きが一気に怪しくなり、暗雲が立ち込める事となった。

■発売1ヶ月経過■
0501パッチの表記修正パッチリリース後はパッチリリースとNEWSの更新が止まる。
12日に未実装であったスヴェンの開発進捗が掲載され始め、ボクサーではあるが足技が多くどちらかというとキックボクサーかもしれない、ゲージを使って「本気モード」になることが出来、その状態はいろいろ凄い、などキャラの具体的な説明も記載された。
月末にはパッチリリースが遅れる旨のお詫びが記載され、同時にスヴェンのスクリーンショットが4枚ほど更新。
なお記事を更新した開発スタッフ虎目先生という人物はスタッフロールに名前が無い。
また、0501パッチで新たに発生したのぶ子のバグについては放置されたままである。

■発売1ヶ月半経過■
パッチリリース時期とされていた6月上旬を過ぎ、13日になってMKVがとあるゲームセンター店頭で委託販売されることになりました!という告知の後半にパッチリリース延期の謝罪と15日にリリースしますという告知を3行程度掲載。
実際は日付を跨いだ16日深夜にパッチ(Ver1.20)が公式サイトにアップされる事となり
未実装キャラの1人であったスヴェンが使用可能になった。
このパッチでは既存キャラとシステムにも様々な調整が入っていたがそれらの調整内容は当初パッチ同梱のReadmeにも記載されておらず公式に掲載されたのはパッチリリースから10日後のことであった。

■発売2ヶ月経過■
1ヶ月間更新が途絶えた後に「現在イヴァンのコンセプトが不完全燃焼状態の為、パッチのリリースが遅れる」という報告が開発より行われる。
同時にイヴァンのスクリーンショットが複数掲載され、このスクリーンショットに写った攻撃モーションから「焼き芋」のあだ名が生まれる事になった。
22日にはNEWSにて「MKV何でも!Q&Aコーナー」がスタート。
2chやネット上で叩かれネタにされたMKVの設定やグラフィックの拙さを逆手に取った自虐ネタコーナーであったが、内容はただ寒いだけで何の面白みも無い駄文であった。

■発売3ヶ月経過■
初頭にニコニコ動画に上げられた動画をMKVのキャラが対話形式で説明をしていくという記事が掲載される。
しかも説明された動画はバグ動画であり、2ch等で呼ばれるようになったバグの通称をそのまま使用する等、「MKV何でも!Q&Aコーナー」と同様の自虐ネタ記事であった。
またこの記事の最後でイヴァンが正式に「焼き芋」と呼ばれている。
そしてMKV最後の更新となった8月12日。
イヴァン開発進捗2として短いプレイ動画が掲載される。


MKV ミリオンナイツヴァーミリオン イヴァン進行状況

以降公式サイト、公式ブログ共に更新は完全に停止。
同年12月、サーバ料金未納により閲覧不可能となるが2日後に復活。
しかし引き続き動きは無くイヴァンの進捗報告も行われないままとなる。

そして2015年2月、有効期限切れのまま放置されていたとなった公式サイトのドメインを他者が取得したことでミリオンナイツヴァーミリオンは完全なる終焉を遂げた。