たのしいゲームの楽しみ方。

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ラッシングビート乱 複製都市(SFC/92年12月22日発売)の簡易紹介

今回の紹介はジャレコからSFC向けに発売されたベルトスクロールアクションゲーム
「ラッシングビート乱 複製都市」。
同年3月27日に発売された「ラッシングビート」の続編であり、ファイナルファイトの亜流から脱し切れなかった前作から飛躍的な進化を遂げている。
ゲーム中のキャラサイズこそ小さめだが、代わりに大量に出現する敵をさまざまな状況で追い討ちが可能な連続攻撃システムを活用して立て続けに、一まとめに攻撃しながら撃破して進んで行くゲーム性はファイナルファイトとは異なった爽快感を生み出すことに成功している。と思う。

本作の特徴は抜粋すると以下の通り。
・プレイヤーキャラは性能の全く異なる5人から選択可能
前作ではバランスとパワーの2キャラだったのに対し、今作ではバランスタイプの「リック」とパワータイプの「ビルド」の加え、スピードタイプの忍者キャラ「華斬(カザン)」、バランスとスピードの中間キャラの女子レスラー「ウェンディ」、バランスとパワーの中間キャラの骨法使い「ロードJ」が存在し、完全に性能の異なる5キャラからプレイヤーを選ぶことが出来る。
これは当時の家庭用ベルトスクロールでは画期的な人数であった。

・必殺技の用途の変化
前作での必殺技は全身無敵で周囲の敵を吹き飛ばすいわゆるメガクラッシュ的な緊急回避攻撃であったが
今回は
 ・リック…敵を吸い込むパンチの高速連打→アッパーでフィニッシュする打撃
 ・ビルド…その場でラリアットからオーラを放つ短距離飛び道具
 ・華斬… 自分を中心に画面両端まで攻撃判定が及ぶ無敵つき広範囲攻撃
 ・ウェンディ…高速で前方宙返りからのカカト落としを放つ突進技
 ・ロードJ…自分の周囲に電撃を放ち自分の周りの敵をダウンさせる範囲攻撃
とキャラごと性質が全く異なる固有必殺技となっている。
必殺技は使用すると体力を消費するため気軽に連続技に組み込むことは出来ないが
消費した体力は一定時間待機することで最後の1回分の消費体力のみが回復する。
なお、ほとんどのキャラの必殺技には無敵が存在しないので緊急回避的に使用できる
のは華斬かロードJの必殺技のみとなり、一方的な被弾を回避する手段は一般的には後述の怒りモードが担うことになった。

・吹っ飛んだ相手、ダウンした相手への追い討ちが可能
ダウンした相手を攻撃する専用のダウン攻撃が全キャラに用意されているほかダッシュ攻撃や必殺技でもダウンした相手や吹っ飛んだ相手への攻撃が可能。
これによりボタン連打のコンビネーション>ダッシュ攻撃>ダウン攻撃、投げ>ダッシュ攻撃といった連続技が成立し爽快感のある連続攻撃が可能。
なお、プレイヤーが吹っ飛んだ場合も敵と同様に食らい判定が残るので複数の敵に囲まれると複数の敵によって華麗なコンボを食らう危険性もある。

・ダメージ蓄積で無敵の反撃タイム「怒りモード」発動
前作「ラッシングビート」から存在する本シリーズのオリジナル要素。
定量のダメージを受けると自動的に発動し、一定時間経過するまで穴やビルの谷間といった地形によるダメージ以外でダウンすることはなく、敵の攻撃の一切を無効化して一方的に攻撃することが可能になる。
更に怒りモード中は各キャラ特定の投げ技が通称「怒り投げ」に強化され攻撃力の上昇、投げの演出が派手になり多くの敵を巻き込みやすくなるなどの強化が行われる。
今回は必殺技にメガクラッシュ的役割が与えられていないため、場合によっては状況打破のために敢えてダメージを受けて怒りモードに入る必要も。

といった感じ。

逆に難点は
・敵の数が多く、耐久力が高い敵が多い。
大量の雑魚を蹴散らして進むのがベルトスクロールの魅力とはいえ、中盤以降はフルコンボを数セット叩き込んでも倒せず、中~遠距離からは突進技、至近距離では高威力の投げを仕掛けてくる上に耐久力も高い大型の敵が頻繁に複数で登場する。
更にスピードタイプの敵も護衛で出現することが多いため、上手く処理していかないとあっという間に体力と残機を奪われていく。

・ステージが無駄に長い。
全4面とステージ数は少ないが、代わりに各ステージの道中が長く最終ステージは敵の多さに反するバリエーションの少なさと相まって道中ちょっと食傷気味になるくらいには作業的になってしまう。

・食らいモーションが長く、更に無敵時間が一切ない。
敵の攻撃を食らった際の仰け反り時間が長く、敵の攻撃サイクルが速いこともあって敵が固まっているところで1回殴られると他の敵の攻撃もそれに重なり、こちらがダウンするまで延々と殴られる。
(殴られた時の効果音が重いのである意味爽快感のある効果音は聞ける)
ベルトスクロールのセオリーではこうなる前にワンパンチ貰った時点でメガクラッシュを発動し、フルボッコにされるのを回避するものだが、このゲームには食らい中に出せる必殺技が存在しないため立ち状態で殴られると非常に危険。
フルボッコされた後は大体起き上がった時点で怒りモードに入るので反撃は出来るが、失う体力が大きすぎるのでストレスが溜まる。

・一部プレイヤーキャラの性能差が大きすぎる。(一番の問題でもある)

ウェンディとか割と絶望的。
通常技、必殺技、怒り投げと全てにおいて微妙な性能で1人でプレイするのは辛い。
特に怒り投げの性能差がプレイしやすさに大きな影響を与えている。
地形として存在する穴(主にビルの谷間やエレベーターの外)へ敵を放り込むと敵は即死する仕様なので敵を大きく画面外に投げ飛ばすリック、華斬、Jの怒り投げは位置取りさえしっかり行えば投げ成功=敵は死ぬ、失敗しても画面外に追いやることは出来るので一時的に敵の数を減らせる優秀な技なのだが、ビルド、ウェンディの怒り投げは垂直に高く飛んでからのタイガードライバーパワーボムなので仕掛けた敵に大ダメージを与える事は自体は可能だが演出の長さもあって怒り投げを決められる回数も少なく、倒せなければ画面内の敵を減らすこともできない。
それでもビルドは隠し技がチート性能なのでそれに頼ればクリアは楽なのだが、隠し技などないウェンディには哀しみしか残されていない。

■総評■
多くの敵をなぎ倒す爽快感を得られる代わりに敵の多さと耐久力の高さ、道中の
長さといった粘り強さも求められるゲームだが、2人同時プレイを行うと難点が
ある程度中和されとても遊べるバランスのゲームに変貌する。
ラッシングビート乱の真価は2人同時プレイにあるといっても過言ではない。
一緒にプレイしてくれる誰かがいるなら、このゲームをやらないのは損だ。
そう言いたい位好きなゲームです。